真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


「周、彼女からプレゼントもらったの?」

「っ、い……いや、ま、だ」


 一画書くごとに軽く震える腰が可愛くて、胸がきゅんきゅんと疼く。


 最後まで書き終わって指を離した瞬間――逃がすまいと全力で手首が掴まれた。


 余裕がなさそうで乱暴なのが、さらにわたしの鼓動を高鳴らせる。


「……そういえば、彼女と話したいことあったからちょっと行くね。みんなありがとう!」


 強引に引き寄せられたと思ったら、ちょっと怒った顔で「ほら、行くよ!」って。


 それをニコニコしながら付いていくわたしを、クラスメイト達は微笑ましそうな表情で眺めていた。






「な、何してるの、ばか」


 いつもの廊下に到着したかと思えば、壁際に追い詰められた。


 圧を出そうと懸命な赤い顔が見下ろしてくる。


「あ、正解。『ばか』って書いたんだよ~」

「こ、答えたんじゃないんだけど。……なに、最近俺に『ばか』って言わせるの、ハマってるの?」

「うん、可愛いなぁって嬉しくなっちゃう。あ、でも、本気で嫌なときは言ってね?」

「……そんなときなんてないのわかってるくせに」

「え~? わからないよ? なかったらいいなぁって思ってるだけだよ~」


 目の鼻の先にある一悟くんの胸に顔を寄せる。


 落ち着く匂い……ぎゅーされたいなぁ……、わたしからしちゃえばいっか。


 ぎゅーっ。


 少し強すぎるくらい自分の体を押し付ける。


「っ、も、ぉ……かわいくして、許されようとして……許す」

「……ふふ」


 ドキドキドキドキ。


 もうすっかり聞き慣れた、すごーく早い心音。


 もっと全身で感じていたい。


 待ち遠しくて、もどかしくて。


 我慢もできなければ甘えてばっかりで。


 こんなわたしでも許してくれる一悟くんが、大好き。


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