真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 だからね、わたしのプレゼントは――。





「わ、チーズケーキだ……美味しそう」

「ふふっ、でしょ~? 美味しくできてるから、早く食べてほしかったんだ~」


 切り分けたケーキを一悟くんの前に置く。


 お母さんにコツを教わりながら作ったから、会心の出来だよ~。


 自分の分も用意して一悟くんの隣に座る。


 わたしの家に来るのなんて初めてじゃないのに、一悟くんが少し体を固くしているように見えたから。


「あ~ん、する?」

「……お願いします」


 どうぞ~、と口の中に運ぶ。


 場所なんて気にしないで、わたしと過ごしてるっていうことだけを意識しててね。


「おいしい……める、ありがとう」


 ふわっと笑ってくれるから、ほんの少し残っていた不安が緩やかに溶けていった。


 あ、わたしが癒されちゃった。


 違う違う。


「今日はね、一悟くんにダメ人間になってほしいんだぁ~」

「へ……!?」

「今日だけ。ダメダメな一悟くんも、い~っぱい甘やかして、癒したいの」

「え、ええ、そんな」

「いいでしょ? ううん、いいの」


 普段は押し殺してることも、全部解放して。


 欲望のままにね。


 一悟くんの頬へ手を添える。まだ理性と戦って困っているみたいだけど、そっと唇を合わせた。


「いいんだよ」

「何しても、何言っても、嫌わない……?」

「嫌わないよ」

「あ……」


 だんだん、その瞳がとろんと下がってきた。


 わたしはいつだって一悟くんを許してるけど、一悟くんは一悟くんを許してないよね。


 だから、一悟くんが一悟くんを許す、その手伝いをするよ。


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