真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


「……愛しさが爆発しました」


 突然、手を取られたかと思うと。


 溜まったものを吐き出すように豪快に、押し倒される。


「今日は、俺が何をしても、嫌わない日。そうだよね?」

「そ、そうだよ~?」

「うん……じゃあ、手加減しない」


 手は床に縫い付けられてびくともしなかった。


「やめてって言われても、止めてあげない。ずーっと気持ちいいの、続けるね?」


 いつもの柔らかい笑顔じゃなくて。


 このときだけは、ニヤリって言葉が似合う笑顔だった。


「わ……一悟くん、発情、しちゃった?」

「俺は年がら年中、めるに発情してるよ」

「あ~……わたしもそうかも」


 だからこそ、今日は特別にそれを見せてほしかったわけで。


 ただいざ見せられると……破壊力が、すごい。


「たぶんいたずらだと思うんだけど、もらったお菓子の中に違う箱が入ってたんだよね……」

「違う箱?」

「0.01って、書いてたんだけど」

「……!」


 そ、それって。


「一箱ぜーんぶ、使っていい?」

「え、えっ、こ、壊れちゃうよ……」

「壊れないよ。ダメ人間な俺のお願い、聞いて?」


 眉を下げて、潤んだ瞳で見つめられる。


 えっ、これ、わざとこういう顔してる……?


「あ、うぅ……わ、わかりました」


 すごい、ダメ人間な一悟くん、危うい魅力があるよ……!


 優しく内ももを撫でられ、じんわりと滲む熱。


「ん。ありがと。……口、開けて?」


 まだまだ新しい一面を見せてくる一悟くん。


 一体どれだけ、引き出しがあるんだろう。


 ぼんやりと考えていたそれは、開けた口が塞がれたことでパチンと消えた。


 余計なこと、考えてる場合じゃないや……。


< 164 / 167 >

この作品をシェア

pagetop