真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


「ごめんね、もうこっちで食べ始めちゃってるから、また今度でもいいかな?」

「あ、うん……。俺こそいきなり誘って、ごめん」


 一悟くんはへらっと笑うけど、無理しているのが見え見えだった。


 これは、何か埋め合わせをしたいなぁ。


「代わりに、二人でどこか出かけよっか~?」


 そしたら、喜んでくれるかな。


「……そ、それって」


 顔の赤い一悟くんの言わんとしていることがわかる。


 そう、これは、


「しよっか、初デート」


 わたし、一悟くんが真っ赤になるのが楽しくなってきちゃってるかも。


 今も彼が必死に頷くのを見て、胸の奥がキュッと締まった。


 もっと、もっと。


 わたしに、赤くなってほしい。


 今まで感じたことのない感情だらけだ。


 でもそれが逆に心地よかった。


「じゃあ、またいろいろ決めていこうねぇ」

「う、うん!」

「楽しみだね?」

「うん!」


 相槌しか返さなくても、一悟くんからは喜びの感情が溢れだしている。


 わたしは、彼の耳元に近付いた。



「――――一悟くんの気持ち、たくさん伝えてくれるの待ってるね」



 吐息に乗せてささやく。


 瞬間的に一悟くんは離れて、耳を押さえながらプルプルしていた。


 ふふ、かわい~……。


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