真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
わたしは食い気味に否定する。
「ううん。わたし、もっと一悟くんのこと知りたいよ」
それに、それはむしろこっちの台詞で。
付き合ってみて、もし思ってたのと違うって思われてたら。
ほんとは別れたいのに、自分から告白した手前言い出せなくなってたらって……不安だ。
あ……わたしって、自分で思ってたより一悟くんのこと気に入ってるんだなぁ……。
今さら自覚した。
そう考えると、繋がってる手が気になるのも、もしかして。
「そっか……よかった」
ふわりと花のように一悟くんが笑う。
わたしの中のコップから水が――溢れた。
「わたし……一悟くんにドキドキしてた、かも」
告白されたときも。
アメを受け取ってもらったときも。
そして、今も。
全部全部、心がじんわり温かくなったと思ってたあれは、ドキドキしてたんだ。
「え……!? 本当!?」
「うん……手を繋ぐのって、緊張するね~……?」
一悟くんみたいに体が火照ってきた。
ドキドキする感覚を知らなかったって、わたし無知すぎるよねぇ……。
「そ、そうなんだよ! 好きな子と手を繋ぐって、めちゃくちゃ勇気いるし……うああ、とりあえず、この気持ちが俺だけじゃなくてよかった……っ!」
パアッと明るくなって、嬉しそうに噛み締める一悟くん。