真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 同じ気持ちって思うと、確かに……嬉しい。


 わたしもつられて笑顔になった。


 一悟くんと一緒にいると、ふわふわして、あったかくて、心地良い。


 これってなんなんだろうね……?


「羽入さん……」


 一悟くんの歩みが止まった。

 
 そして、道の端に寄るように引っ張られる。


「ちゃ、ちゃんと、ドキドキさせる言葉を言えてなかったから。じ、実践、します……っ!」


 ゆっくりと深呼吸をしてから、潤んだ瞳を向けてきた。


 胸がぎゅっと締め付けられる。


 この感覚は……知ってる。可愛いものを見たときに感じる、ときめきだ。


 でも、今の一悟くんは可愛いって言うより……。


「今日の羽入さん、すごく可愛い。俺と会うために頑張ってくれて、ありがとう」


 口を開くたび、一悟くんの赤面範囲が増えていく。


「それから、俺にまだ希望をくれてありがとう」


 そんな顔で、優しく微笑まれちゃったら――


「好き、です。羽入さん……」


 間違いなく、胸がきゅんと音を立てた。


 可愛いからじゃなくて、素敵だな~って思ったから。


「どうやったって……大好きなんです」


 わたしは、どうなのかなぁ。


 ちゃんと一悟くんに応えられるよう、ついていけてるかな。


 まだしっかりとはわからないけど……そうだったらいいなって思う。


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