真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
「一悟くん、誕生日はいつ?」
「えと……く、九月四日」
「血液型は何型?」
「おっ、O型……です」
「休日は何してるの?」
「家族と出かけたり、してる、かな」
羽入さんからの質問攻めに遭いながら、下校していく。
限られた時間の中で羽入さんは俺のことを知ってくれようとしているんだろうか。
それはすごく嬉しい。俺だって知ってほしいし……。
あの、でも……。
「は、羽入さん。その、こ、この腕は……」
俺の腕は、羽入さんによって絡め取られていた。
ただ手を繋いでいるだけじゃない、腕を組んでいるのだ。
意識してはいけないと言い聞かせるも、どうしても当たってしまう柔らかい感触が俺を惑わす。
「嫌だった?」
「っ!? い、嫌なわけない! ないん、だけど……! そこまで頑張ってもらわなくても、大丈夫っていうか……」
俺の身が、持たないっていうか……!
沸騰しそうなくらいの熱を抱えながら、羽入さんの反応を待つ。
すると、
「……わたし、頑張ってないよ?」
羽入さんは、少し寂しそうに笑った。
え……羽入さん……?
「う~ん、難しいね~……。わたしはただ、したいと思ったからしただけなんだけど……」
「!」
あ……俺、最低だ。
羽入さんもこの時間を楽しみにしてたんだって、ちゃんと言葉にしてくれたばかりなのに。