真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
羽入さんなりに、俺と距離を縮めようとしてくれてたんだ。
俺……自分の劣情を殺すことばかり考えて……羽入さんの気持ち、考えてなかった。
「ご、ごめん羽入さん! は、恥ずかしいけど……嬉しいから、これからもしてほしい、です」
自分の素直な言葉を伝える。
俺だって、胸を張って羽入さんの彼氏ですって言えるようになりたい、から。
羽入さんはふにゃっと口角を上げて、より一層俺の腕を引き寄せた。
「うんっ、そうするねぇ~」
ううう、むり、可愛すぎる。あと、柔らかすぎる。
俺、このまま理性保てるかなぁ……。
羽入さんを怖がらせるようなことは、極力したくないんだけど。
万が一するとしたら、どこまでセーフなんだろう……。
ふわふわと微笑む羽入さんを盗み見る。
わからない内は、我慢するしかないよな――
「一悟くんも、わたしとしたいことがあったらしてくれていいからね~?」
――えっ。
「ん?」
目を見開いて固まった俺に、羽入さんがきょとんと首を傾げる。
あー……あんまり意味わからずに言ってるパターンだ。
たぶん、俺の考えるような『したいこと』は羽入さんの頭の中にはないだろう。
「? 一悟くん、何かしたいことあるの?」
「あ、いや……!」
「あるんだねぇ~?」
「うっ……」
こういうとき、うまくごまかせない俺が憎い。