真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


「ほんと? 写真あったら見せて見せてっ」

「……は、はい……」


 周くんがスマホを取り出したので、覗くために近付いた。


「っ!」


 でも、周くんからはバッと距離を取られてしまう。


 パーソナルスペースに入っちゃったのかも。


 不快にさせちゃったかな。


「ごめ……」

「こっ、これっ! ウチの犬ですっ!」


 謝るよりも先に、スマホの画面を向けられた。


 そこには、うっとりとした表情で人間の手に顎を乗せる柴犬の姿が映し出されている。


 わたしはすっかりそっちに意識を取られて、


「かっ、かわいいぃ~~♡」


 釘付けになった。


 柴犬! いいよね、日本の代表って感じで!


 モッフモフの毛並みが写真からでも伝わってくる。触りたい~!


 わたしの瞳の中にはハートマークが浮かんできているに違いない。それくらい一目でメロメロにされてしまっていた。


「ほっ、他にはっ?」

「これとか……」

「んんっ、幸せ~っ!」

「……かわ」

「うんっ、可愛いね~!」

「…………そうですね」


 これは是非とも、わたしのコレクションに加えたい。


 急いで自分のスマホを持って、周くんにお願いした。


「周くん! それ、送ってもらえないかなっ?」


 スマホを突き出すわたし。周くんは、驚いた様子で固まってしまった。


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