真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 視線がぶつかった。


 わたしの顔は熱い。つまり、いつもの一悟くんみたいになっているってことだ。


 一悟くんも赤くはあったけど、ほんのり色づいている程度。


 だからたぶん、わたしの方が赤らんでいると思う。


「え……!」


 それに、驚いた様子を見せる一悟くん。


「え、あ、ごめん!」


 両手を顔の横に掲げて、わたしを完全に離してしまった。


 ほっとするような、少し残念なような?


 どっちかと言えば、残念な方が大きいかもしれない……。


 なんでこんなに矛盾するんだろう……。


 一悟くんから目を逸らしながら、胸の鼓動を落ち着かせる。


 はぁ、と漏らした息は、想像よりも熱かった。


「一悟くん……今度からこういうことは、二人きりのときだけにしよう……?」

「っっ!? う、うん……っ!」


 一悟くんはコクコクと頷く。


 その表情は、さっきななしくんに向けていた冷ややかなものとは全然違って、


「あと……助けてくれて、ありがとね」


 ああいう一悟くんも悪くなかったかな~って、少しだけ思った。


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