真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 家に帰ってソファに座りながら、癒やしフォルダを眺める。


 犬の写真や動画をスライドさせてうっとりと日課楽しんでいると、最後の写真に目が留まった。


 一人と一匹が一緒に写った、癒やしの詰め込みセット。


 それを見ていると、だらしなく口が緩んでしまう。


「ふへへ……」


 こんな顔、一悟くんには見せられないなぁ……。


 写真でも柔らかそうな一悟くんの頭をなぞって、ソファにずるずると倒れ込んでいく。


 一悟くんに包まれた感覚を思い出したら、体が温まってきちゃって。


 近くにあったクッションを引き寄せてぎゅっと抱き締めた。


 ……もっと、一悟くんと触れ合いたいなぁ~。


 またこうやってぎゅーってしたり、されたり。


 たったそれだけでこんなに幸せでいっぱいになる。


 これって……もしかして?


「好きってこと……なのかなぁ?」


 だって、一悟くんと別れたくないし。


 一悟くんがわたし以外を見てたら、すっごく嫌だな~って思うし。


 反対にわたしだけを見て、「好き」って一言伝えられるだけで嬉しくなる。


 一般的にはこういうのって、好き……だよね?


 もし、このことを言ってみたら……。


 そしたら、喜んでくれるかな。安心してくれるかな。


 脳裏に浮かぶ一悟くんの笑顔に胸が高鳴った。


 え~うそ。わたし、ついに想像でドキドキするようになっちゃったの?


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