真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
――告白したい、かも。
朝のホームルーム、一悟くんのことを考えてそっちに目を向ける。
彼もわたしを見てくれていた。目が合ったのに一瞬驚いて、それから逸らされることなくはにかんでくる。
それがとんでもなく嬉しくて、体の内側から熱が沸き上がってきた。
早く言いたい。早く言いたいけど、いったいどこでどうやって言えばいいか考えられない。
考えようとすると、顔を赤くする一悟くんの顔ばっかり浮かんでそこから進めないのだ。
そんなこんなで休み時間になると、木葉ちゃんがわたしに噴き出してくる。
「ぷっ……めるさ、周のこと見過ぎ。めるにあんな顔させるなんて、周もやるよね~」
「え~っ!? わたし、どんな顔だったの?」
大きな双眼がわたしを映して、ふっと笑った。
木葉ちゃんの笑顔は大人っぽい。
まるで全てを見透かされているようで、悪いことをしているわけでもないのに体が強張る。
「周のこと、大好き~って顔」
その言葉に、心臓が大きく跳ねる。
「……やっぱり、そう思う~?」
「そうにしか思えないけど?」
顔が熱くて戻らない。
第三者に、それも木葉ちゃんに指摘されちゃったら、もう確定したようなものだ。
わたし、ちゃんと一悟くんのことが好きなんだねぇ……。
一抹の不安が取り除かれて、わたしは自分を奮い立たせる。
全ては、一悟くんに喜んだ顔を見せてもらうため。