真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
告白されたときと同じ廊下。
まさか一悟くんはわたしの言おうとしていたことがわかったのかな。
体を突き合わせる。わたしは落ち着かなくて、自分の指をいじってしまう。
「聞かせて?」
一悟くんの優しい声が降ってきたから、こくりと頷いた。
ずっとそのつもりだ。だけど、うまく言えなくて焦っちゃう。
それが余計に言えなくなる原因になってる。
「一悟くん……ちょっと、しゃがんでほしいな……?」
その言葉だけですっかり意味が通るようになっていて、一悟くんは頭を差し出してくれた。
いつものように手を乗せる。そっと動かして、髪の中に埋めていく。
癒やされる。けど、わたしはそれだけじゃ満足できなかった。
クッションを抱えるみたいに、頭を腕の中に閉じ込める。
「え……っ、はにゅうさん……っ!?」
一悟くんが戸惑いの声をあげるけど、やめない。
許される限り、こうしていたい……。
……って、そうじゃないよね。
好きって、伝えないと。
「一悟くん……す、」
そのとき、わたしの背中に手が回された。
前より強くなくて、繊細な手つき。
まるで壊さないように大切にされてるみたいで、わたしの胸にじんと熱が帯びる。
「……すき」
声が、重なった。
きょとんと二人で目を合わせる。
「え、いま、羽入さんも……?」
一悟くんの顔に、赤が広がっていく。