真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
あっという間に心の距離を取られたみたいだけど、続けることにした。
「むりっていうのはね~? 恥ずかしいのが耐えられないだけで、ほんとはしたいと思ってるんだよ」
だから木葉ちゃん。そのむりは、あってないようなものなんだよね~。
「……周となんかした?」
「ふふっ」
「学校で何してんの!?」
「何もしてないよ~」
一悟くんとしたいこといっぱいあるな~って思い馳せてただけ。
なんだけど、木葉ちゃんの訝しげな表情はなくならなかった。
しょうがないから、有明くんの方に向き直る。
「とにかく有明くん、木葉ちゃんが失礼な態度でごめんね。すぐには懐かない猫くらいに思ってほしいな」
「あー、猫……なるほど」
この説明で納得してくれた。
わたしとも仲良くなるのに一ヶ月くらいかかってるし、ほんとに難しい子なんだよねぇ。
その分、仲良くなったらとことんって感じだ。
「でも元はと言えばわたし達がいなかったからだよね、それもごめんね~」
「いや……あっ」
「ん?」
有明くんがわたしの後方を視界に入れて、固まった。
「なに勝手に羽入さんのイスに座ってるんだよ、正……」
完全に拗ねた一悟くんがそこに。
可愛くて、わたしはきゅんと胸を高鳴らせる。
「一悟くんも、いつでも座っていいよ~?」
「……そういうことじゃないよ」
「じゃあ、わたしがイスになろっか?」
「へっ」
「それとも、わたしが一悟くんの上に座ろっかなぁ~?」
「ええっ!?」
ころころ表情の変わる一悟くんが面白くて、いじわるしちゃう。
「バカップル……」
「……同感だ」
木葉ちゃんと有明くんの意見が一致していた。
あ、わたし達のおかげで、ちょっと仲良くなれたのかな?