真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
――なんて浮かれていた翌日、一悟くんは風邪で休んだ。
「わ、わたしのせいだよねぇ……」
頭を抱えて机と見つめ合う。
わたしが早く着替えさせなかったから、体が冷えちゃってたに違いない。
きっと、くしゃみしたときにはもう手遅れだったんだ。
「気に病むことないでしょ。周の免疫力が弱かっただけ」
「も~木葉ちゃん! 風邪を甘く見てちゃだめなんだよ!」
「じゃあ、めるのせいなんじゃない?」
「う~……」
木葉ちゃんが面倒そうに見下ろしてきているのを感じる。
一悟くんと触れ合いたくて、自分の気持ちを優先した結果がこれだ。
ちょっと、浮かれてふわふわしすぎてたかなぁ……反省。
「お見舞い……しなくちゃ」
いつまでも落ち込んでちゃいられない。
わたしにできることを考えないと。
そう決意して、わたしは昼休みに有明くんのクラスを尋ねることにした。
なんとなく木葉ちゃんも誘ってみたけど、「あんた最近ちょっと面白がってない?」と嫌な顔をされて断られた。
わたしはただ、二人も仲良くなったらいいのにな~って思ってるだけなんだけどなぁ。
「有明く……わぁ」
彼のクラスを覗くと、その異様さはすぐに目に入ってきた。
有明くんを中心にして、サークル状に女の子達が囲んでいる。
みんな一様に話しかけていて、簡単に入っていけるような雰囲気じゃない。