真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
有明くんといえば一人一人を相手しようとして、逆におろおろと何もできなくなっていた。
一悟くんが有明くんと一緒にいるのって、ちゃんと牽制になってたんだなぁ~。
ここはわたしも一悟くんの彼女として、一悟くんみたいに有明くんのことを守ってみよう……!
教室の中に足を踏み出す。
「有明くん、こんにちは~」
わたしが名前を呼ぶと、彼の視線がこっちを向くので、笑いかけて手を振った。
「一悟くんのことで聞きたいことがあるんだけど、ちょっといいかな?」
「あ、あぁ……」
「みんなも、ちょっと有明くんとお話してきていいかなぁ?」
女の子達にも微笑んで、了承を取ってみる。
彼女達は少し戸惑いながら、お互いに顔を見合わせてこくりと頷いてくれた。
お礼を言って、有明くんに行こうと廊下へ誘導する。
こっそり、お弁当を持ってくるようにも言って。
「近くで見る羽入める、やばすぎる……」
「有明くんと並ぶと余計に際立つわ~……」
「なんで有明くんじゃなくて周と付き合ってるんだろうね」
「さぁ……。まあ、私達にしたらラッキーじゃん?」
「それもそう」
教室を出る直前、そんな彼女達の会話が聞こえてきて首をひねった。
「わたしって、何がやばいんだろう……」
一悟くんの友達にも言われたしなぁ……。
自分じゃ気付けないところに何かあるのかもしれない。