真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
次いで顔をじわじわと赤くさせて、わたしにすがるような目を向けてきた。
赤くて、涙目で。失礼ながら、すごく絵になっていた。
「あ、わ……め、める……」
まさか木葉ちゃんがこんなに弱ってるところを見られるなんて。
彼女のことがものすごく可愛く感じて、自然と笑みがこぼれる。
「有明くんのこと、困らせたいわけじゃないんだよね?」
木葉ちゃんは控えめに頷く。
「むりでも、いやでも、ないよね?」
「……う、」
「行こ?」
「……うん」
軽く引っ張ると、素直に付いてくる。
やったぁ~成功だ。
やっぱり本人から言ってもらうのがよかったんだね。
「ありがとね、有明くん」
「……ご、ごめん、有明。嫌な態度取って……」
木葉ちゃんと二人で、有明くんに対して思い思いの気持ちを伝える。
有明くんはそんなわたし達を一瞬ぼぅっと眺めて、
「……あぁ。俺にも懐いてもらえるように頑張らないとな」
と綺麗な笑顔を浮かべた。
その目が、なんだか微笑ましいものを見るようで。
わたしもよくあるから、瞬間的に察した。
有明くんの目の奥に、猫化した木葉ちゃんがいる。
あっ、完全に木葉ちゃんのことを懐かない猫として見てくれてる……。
木葉ちゃんの方を振り向けば、すっかり有明くんに見惚れてしまっている。
仲良くなればいいなぁとは思ってたけど。
あの、これ、わたしが余計なこと言ったからこじれちゃってるよねぇ……?