真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 それだけのつもりじゃない、ってことを証明するために、わたしは持っていた袋を差し出す。


「で、でも、一番は一悟くんのことが心配で来たんだよ?」


 これは本当だ。


 わたしにも風邪をひいた責任の一端はあると思ったから、少しでも力になりたくて。
 

「……別に、怒ってるわけじゃなくて」


 袋を受け取って、机に置く一悟くん。


 口を尖らせたまま、頬を赤らめてわたしの肩に頭を乗せた。


 そのまま、ぐりぐりと押し付けてくる。


 これってもしかして……甘えられてるの、かなぁ?


 理解した瞬間、胸がきゅっと締まった。


 もう……可愛いなぁ~……。


 すぐそこには、撫でてくださいと言わんばかりにふわふわの髪があって。


 そんなの、我慢できるわけがなかった。


 自分でも気付かない内に両手は一悟くんの頭の上。


 一度触れてしまえば、もう止めることはできない。


 優しく撫でたり、指を通したり、巻き付けて遊んだり。


 それだけでわたしの中は癒しでいっぱいになる。


 ううん、癒しだけじゃない。


 愛しさがどんどん大きくなっている。


 好きだなぁって手に持てないくらい溢れだす。


 こうやって触れるだけで、もう一悟くんのことしか考えられなくなってるよ……。


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