真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 ソファの肘置き部分に手を乗せて、一悟くんをニコニコと見下ろす。


 一悟くんは困った顔で瞳を潤ませていた。


 したいなら、してくれていいんだよ?
 

「だ、だって、こんな二人きりの状態で、俺の家で、しちゃったら……今までせき止めてたものが決壊しそうで……」

「我慢できなくなるってこと?」

「……うん。羽入さんを怖がらせるようなことも、しようとするかもしれない」


 一悟くんは、いつもわたしのことを考えて我慢してくれてるよね。


 確かにわたしは経験も知識も足りてないし、初めてすることには少しの不安もある。


 でも、そうやって気遣ってくれる一悟くんなら、信頼できるかなぁって思うんだよ。


「大丈夫。怖くないよ」


 一悟くんの首に腕を回す。


 だからここからは、わたしの自己責任。


「……しよ?」

「――っ!」


 瞬間、一悟くんはするっとわたしの腰に手を当てて引き寄せてくる。


 ぴったりと体が引っ付いて、お互いの心臓の音が丸わかりだ。


 でも、どっちが自分の音なのか、判断できない。


「ひぁっ……」


 優しく腰を撫でられて、変な声が出る。


 わたしがそこ弱いこと、すっかりバレバレだ。


「はあぁ……その声、ほんと可愛い……」

「え~……わたしは恥ずかしいよ~」

「じゃあ、もっと恥ずかしがって……」


 目を薄めた一悟くんの顔が近付いてくる。


 わたしは、今度こそ確実な予想をしてまぶたを閉じた。


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