真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
思いがけず見とれてしまった。
有明くんがイケメンっていうのは結構騒がれてたから有名だけど、喋り方から考えて中身も真面目そうな感じなんだなぁ。
良い人そうだけど、木葉ちゃんはこの中身じゃダメなんだねぇ……。
「羽入さんは、一悟と仲がいいのか?」
「ううん、まだそこまで。これから仲良くなる予定かなぁ~」
この機会に、犬好き友達になれないかな~とは思っている。定期的に周くんから写真や動画の供給をしてもらう、わたしにしか得のない関係になりそうだけど。
一緒にドッグカフェに行くのもありだよね。
木葉ちゃんはあれで人見知りだから、動物にもすぐに懐けない。前に一緒に行ったときなんか、犬触らずにわたしにくっついて終わったくらいだ。
だから一緒に行く友達、ほしかったんだよ~!
「――――羽入さん!」
いきなり、わたしと有明くんの間に手が伸びてきた。
わたしは妄想を打ち切って、同じように目を見開いた有明くんと一緒に手の主の方へ首を動かす。
「掃除、お、終わったから」
「あ……うん、周くんお疲れ~」
「一悟、あまり驚かせるな」
有明くんが周くんに苦言を呈する。
でもそれより何か気になることがあるようで、周くんは上の空だった。