真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


「わたしも、いつかはね? そういうこともあるのかなぁって思ってたから……」


 羽入さんが俺の手を掬い上げて、ゆっくりと小指を絡ませた。


 恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら、いつもみたいに優しく微笑んでくれる。


「いつかは絶対……ね?」


 やばい。


 やっぱり、夢とは比べものにならないくらい現実の方が可愛い。


「も、も~! 朝からこんな話するの、すご~く恥ずかしいよ!」


 羽入さんは手でパタパタと顔を扇いで俺に背中を向ける。


 自分だけ熱を逃がそうとするなんて――そうはさせない。


「きゃっ!?」


 俺は羽入さんを後ろから腕の中に閉じ込めた。


 一瞬叫んだものの、すぐに俺の意図を察して羽入さんは俺の腕に手を添える。


「い、一悟くん、も、戻らないの?」

「もうちょっとだけ……」


 そしたら、こくりと頷いてくれた。


 あー、もう。


「だめだ……好きすぎてどうしよう」


 このままずっと抱き締めていたい。


 羽入さんって、なんでこんなに受け入れてくれるんだろう。


 されて嫌なこととか、ないのかな。


 俺は羽入さんにされて嫌なことなんてないんだけど。


 まさか、それと一緒ってこと?


 だったら、羽入さんって俺のこと大好きなんだなって勘違いしちゃうけど、いいのかな?


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