真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛
「正直、ただのノロケにしか聞こえないんだが」
「羽入さんは世界一可愛いです」
「うわっ」
「ノロケってこういうことだろ? さっきのは違うって」
ていうか、うわってなんだよ。
確かに今まで散々羽入さんへの気持ちを相談してきたから、うっとうしいのかもしれないけどさ……。
「なんかここまで完璧な幸せだと、後でめちゃくちゃ大きい不幸がやってきてもおかしくないっていうか……」
うまくいきすぎているような気がする。
うっかり告白して、運良く付き合えて。
デートをして、好きになってもらえて、キスをした。
その上、期待するような約束まで取り付けることができて。
その間に大きな亀裂が入ることなく、ここまでやってきた。
ほら、怖い!
「相性がよかったんだろう」
「え? へへへ……」
「どこで喜んでるんだ」
だって嬉しくて。
だからといって不安が取り除かれるわけではない。
「まぁ……一悟は言わずもがな、羽入さんも一悟にベタ惚れみたいだし、気にすることないんじゃないか」
「そ、そんな風に見えてるの? えへへ……」
やっぱりちょっと取り除かれてきたかも。
単純なやつだなって、正の目が訴えてきていた。
その流れで、正の目線が羽入さん達の方を向く。