真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


『羽入さんの水着なんて見たら、どうにかなっちゃうしっ、俺の家で二人きりにでもなったら、どうにかなっちゃうし! 危険地帯しかないよ!?』

「どうにかって?」

『え!? だから、えっと……っ』

「別にどうにかなってもいいんじゃないかなぁ?」

『!?!?!?』


 もはや言葉になっていないくらいに大きなリアクションを残して、一悟くんはパタリと音を発さなくなってしまった。


 電話が切れちゃったのかと錯覚するほどに。


 まさか気絶してたりして。


 そんなわけはないと思いつつも、本当に静かなままなので不安が募り始める。


 大丈夫、だよね?


『…………じゅ、』


 あ、よかった大丈夫だった。


『準備が必要、なん、じゃ……?』


 一悟くんはガタガタに震えたか細い声で、恐る恐る聞いてくる。


「準備? あ~、どうにかってそういうことかぁ~」

『わかってないのに別にいいとか言ってたの!? も、羽入さんのばかぁ……っ!』


 わぁ、怒られちゃった。怒り方、かわい~……。


 え~……もっと怒ってほしいかも……。


 わたしの新たな扉が開きかけたところで、向こうがむすっとしている気配を感じ取る。


 その前に、誤解を解かないと。


「でもねぇ、実際どうにかなってもいいよ?」

『またそんなこと言って!』

「う~ん。一応、準備は色々してみたんだよ?」

『……んん?』


 言われたときはびっくりしたけど、考えればそれもそうだよねぇ~って納得したから。


 わたしなりに、ネットで調べたりしたんだけどなぁ。


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