真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛




 というわけで。


 一悟くんと、一緒に帰れる日。


「一悟くん、今日ウチに来ない?」

「は」


 ピシッと固まってわたしを見るのは、愛しの一悟くん。


 別に一世一代の大きなことを言ったわけでもないのに、壮大なものを目の当たりにしたような顔をしている。


「勉強、一緒にしない?」


 もしかしたら嫌なのかと思って、顔色を窺いながら慎重に聞いてみる。


 わたしは小テストで満点が取れるくらいになってきて、一悟くんも自習してる姿が増えてきた。


 どうせなら二人で頑張ってみるのもいいのかな~って気持ちで、誘ってみたんだけど。


 一悟くんはなぜか焦っている。


「す、する。したい、けど。羽入さんの家じゃなくてもいいんじゃない、かな?」

「どうして?」

「っ、や、俺が集中できそうにないから……」


 言ってる意味わかる? と赤くなった一悟くんが目を合わせてくる。


 もちろん、わかる。


 二人きりになったら、どうにかなっちゃうんだよね。


 でも、この間拒否されたばっかりじゃなかったっけ?


 今日はいいってことなのかなぁ?


 うん、それなら……なおさら。


 ぐいと一悟くんの腕を引く。


「わたしの家、行こっか~」 

「なんで!? や、やっぱりわかってないでしょ!」


 一悟くんこそわかってないよねぇ。


 わたしがわりと、拒否されたときに傷付いてたこと。


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