真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 一悟くんが手を握り返してくれながら、ポツリポツリと言葉を紡ぐ。


「そ、そりゃ、したいって言ったのは俺だけど、ただすればいいってものでも、なくて」


 え、そうなんだ。


 じゃあ、わたしがしつこくしてたの、嫌だったのかな。


 どうりで拒否されるわけだった。


 また浮かれて暴走しちゃってたのかぁ……反省。一悟くんのことになると、うまくコントロールできないなぁ。


「まぁ……というのが俺の考えなんだけど、羽入さんは違うの?」

「わたしは……」


 一悟くんがしたいなら、してもいいのかな~って。


 ううん、それはもしかしたら言い訳で、本音では……。


「わたしはね、毎秒一悟くんと触れ合いたいな~って思ってるんだよ」


 だから全部を触ってほしいし、触りたい。


 理由は、それだけなのかも。


「……毎秒」

「今も、早く触れ合いたいなって思ってるよ?」

「さ、左様ですか」


 じゃあ……と一悟くんが手を離して、腕を広げる。


「……どうぞ」


 わたしはその胸に飛び込んだ。


 ぎゅーっと強めに抱き付いていたら、一悟くんも抱き締め返してくれる。


 こうしてみて気付くのは、やっぱりわたしは自分の意思でしたいと思えていたってことだ。


 制服の布が邪魔で仕方がない。


 もっと近付きたい。


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