恋の始まりはいつだって唐突に
カーテンの隙間からは太陽の光が差し込んでいる。
そういえば、今日は久しぶりの快晴だと昨日の天気予報が伝えていた。せっかくのお出かけ日和なのに、ツイてない。
「ゆっくり休めよ。月曜、仕事無理そうだったら休んでいいから」
何かあったら連絡して、と付け加えて電話は切れた。
残念だな、とぼんやり思ったところで、自分は今日を楽しみにしていたのだと気が付いた。
衝撃的とも言えるあの一件から、一週間が経った。
この数日間、掛井さんは今までと変わりなく私に接した。それはもう、実はあれは夢だったんじゃない?と疑いたくなるほど。
実際はそんなわけはなく、掛井さんの態度とは対照的に私はひとり焦っていた。
目を合わせることすら心臓が高鳴って、声が上ずる。
そんな私の様子を見て、一瞬クスリと笑った彼を私は見逃さなかった。
あなたのせいなのに!と何故か怒りたくなる気持ちを抑え過ごした1週間の終わりにこの状態とは、なかなか運が悪い。