貴方になりたい
聖光の車を降りると、バイバイして部屋に戻る。
その瞬間に、また聖光に会いたくなるかどうしようも無い。


けれど、今の私に聖光はそれ程魅力を感じてないと思う。


会って二回だけどまともなデートなんてした事が無い。むしろ、身体を重ねて眠るだけの関係なのが事実だ。


それでも、聖光が好きなのだ。


このまま、聖光の事ばかりを考えていたら会いたくなって電話をしちゃいそうだから友達にメッセージを送る。


〈私、彼氏出来ちゃった!!〉


本当に彼氏?

聖光にそう問いたい気持ちをグッと押さえ込み、スマホを弄っていると友人からのメッセージが返ってきた。


〈明日香に彼氏かぁ!!
前の彼氏と別れてから大分経つよね!!
今回の彼氏はどんな人!?
やっぱり、真面目な感じかなぁ?〉


今まで、お付き合いした男性は皆真面目だったからそう思われたのだろう。


〈んー!真面目かは分からないけど、めちゃくちゃかっこいい!!〉
〈写メとか無いの?〉


気軽に見せちゃイケナイ。
それくらい理解しているのに、大好きな聖光を自慢したくて堪らなくて、聖光の寝顔を送る。


〈なんで、寝顔〉
〈綺麗だったから……〉
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