貴方になりたい
他の人なんて要らない__

私に必要なのは、聖光だけなんだ。
でも、そんな事を口にしたら何を言われるか分からない。

最悪、奥さんに私達の関係を暴露されてしまう事だって有るかも知れない。


「今は、一人で居たいから大丈夫」
「そっか。あんまり、思い詰めないようにするんだよ」
「分かった。ありがとう……」


通話を終了させると、聖光からの連絡を待ち詫びる。


意外と早く聖光からの連絡は来た。


「もう、明日香のアパートの前に居るんだけど早すぎたかな?」
「ううん!大丈夫!!
丁度、準備終わった所だから、直ぐに出るね」


聖光に会える。
その事実に私の脳は喜びで満たされていた。


急いで玄関に向かうと、履きなれないミュールを履いて聖光の元に向かう。
車に入るとなんとも言えない良い匂いが鼻膣をくすぐられる。


「俺、明日香に幻滅されたかと思っていて……。会えたらホッとしたよ」


ずっと、疑問だった事が有る。


「聖光は奥さん居るんだよね?」
「うん。駄目かな?」
「奥さん居ても聖光の事が好きだよ……。
ただ、聖光って家ふたつ持ってるの?」


いつも行く聖光の家には生活感が無いから、気になっていた。
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