貴方になりたい
「うん、ふたつ有る。
どうしても、1人になりたい時に居る家が明日香に教えた家」


そう言いながら、車を走らす聖光。


「そうなんだね」


なら、その家に第二の妻としと私を住ませて！
そんな事を思ったが、口になんて出せる訳が無い。

嫌われないように、嫌われないようにと行動してしまうのだ。


「何か食べる？」
「うん」
「本当はオシャレなレストランとか行きたいけど、勘弁してな……」


そう言って、聖光が向かった場所はファーストフードのドライブスルー。


奥さんとはお洒落なレストランにいったりするのかな。
一瞬、そんな考えが脳裏を横切って羨ましく思ってしまう。


でもね、私にとって聖光と食べる食事はなんだってご馳走だ。
一緒に居られるだけで、幸福感にみたされる。


いつもより、少なめのハンバーガーセットを頼んで、向かった場所はホテル。
ハッキリ言って古い。


でも、聖光と一緒に居れるならどんな場所だって構わない。


スマホを弄りながらハンバーガーを食べる聖光を横目で見た。


ねえ、聖光。
一体、誰に連絡しているの？


そんな考えになった瞬間、聖光の奥さんの顔が頭に浮かんだ。
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