貴方になりたい
もう少し。
もう少しで聖光のお嫁さんになるのは私だから。


小さい頃は、運命の人が白馬に乗って現れるんだと思っていた。

でも、今の私は他人の王子様を奪う魔女のようじゃないか。


「違う!!違うの!!
ただ、私が聖光に会うタイミングが遅かっただけ!!」


ただ、それだけなんだ。


それから、一週間過ぎても二週間過ぎても聖光から連絡が来る事は無かった。


でも、大丈夫。
生理予定日を過ぎても女の子の日は来ないから、きっと赤ちゃんが出来たんだと思う。


お腹が大きくなる前に、聖光に会っていたいと思いスマホに手を伸ばした。


〈聖光。お久しぶりです!!〉


だけど、既読は付かないまま時間だけが過ぎてゆく。


赤ちゃんが出来たよとメッセージをすれば、聖光も既読を付けてくれる気がした。


〈聖光!私、聖光に凄いプレゼントがあるの!!〉


そう入れた瞬間、今まで付かなかった既読が付いた。


〈プレゼントって何?〉
〈今度会う時持ってくるから楽しみにしてて!〉
〈じゃあ、今から会おう!〉


まさか、会えるなんて思ってなくてその場を飛び跳ねた。

聖光に会える事が嬉しくて堪らない。
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