貴方になりたい
「いや、アイツ既婚者だから!!」


それでも、好きで彼の子供だけでも産みたいなのが私の気持ち。


「いいんです。ただ、たまに聖光に会いに来て貰えたら」
「あいつは、そんな事しないよ。君は遊び!」


分かっていたけど言葉にされると、現実を思い知らされてしんどくなってくる。


「君、可愛いから俺と付き合わない?」


聖光もだが、この男の言葉には軽さしかない。


「付き合いません」
「聖光にもやらしたんだろ!俺にもやらせろよ!!」


ゾクッ


怖くなってソファーから立ち上がると、そのまま押し倒されキスをされた。


服を脱がされる。
身体を触られる。


もうダメだ__と、思った瞬間、玄関のドアが開き聖光が現れた。


「あれ、おたのしみ中?」


聖光の表情はいつものままで、私が他の男と行為する事になんの興味も示してない感じがした。


遊びの女。


その表現がシックリと来て悲しくなってしまう。


「た、助けて……」
「いいよ」


一瞬、神様に思いが伝わったのかと思った。

押し倒されている私に近付いて来て、腰を屈めた聖光の口から出た言葉は信じられないものだった。


「助けて欲しい?」
「うん」
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