貴方になりたい
今までの人生良い事なんて無かったが、幸せの絶頂に居る感じが心地よい。


「明日香は何飲む?」
「お酒……。あまり飲んだ事が無くて分からない……」
「本当にお前可愛いな」


聖光は私を沢山誉めてくれるから、愛されている事が伝わって幸せだ。


顔が赤らむのを感じながら、ビールを見ていると聖光がチューハイコーナを指差した。


「お酒飲んだ事が無いなら、甘いやつの方が良いんじゃない?」
「あ、そうだね」


お酒と言えばビールだと思っていたが、苦い物は苦手だから助かる。


そんな事を思いながら、グレープとオレンジのお酒を選んだ。


「俺も明日香と一緒のにしよう」


そう言いうと、結構な量のアルコールをかごに入れていく聖光。


レジに行くとタバコも購入していた。


今までタバコに良いイメージなんか無かった。しかし、聖光が吸うとかっこいいし香りにでさえ大人の男性を感じさせられる。


聖光の全てが好き。


大量の袋は聖光が持ってくれて、来た道を手を繋ぎ歩く。


聖光の手のひらは冷たくて、とても心地良い。
この冷たい手が、近い将来私を苦しめるだなんて思っても居なかったんだ。
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