観念して、俺のものになって
時刻は夜7時半。
紬さんが作ってくれた夕食をダイニングテーブルで一緒に食べた。
私も手伝うと申し出たけど、「まひるちゃんは色々あって疲れただろうからゆっくりしてて」と言ってくれた為、お言葉に甘えてふかふかの大きいソファーで寛いだ。
「あんまり凝ったものは出来ないから、冷蔵庫にあった食材で作ったよ」
そう言って出されたのは、この時期にピッタリの熱々クリームシチューとかぼちゃサラダ。
盛り付けも味も文句なしに美味しくて、特にシチューは冷えた体に染み渡る。
美味しかったー!イケメンな上に料理もできるとか、完璧じゃない!
ますます、私には勿体ない人だ。
食後のコーヒーで一服した後、なぜか一通り揃っている未開封の化粧品やシャンプーなどの場所を説明された後、先にシャワーを使わせてもらって。
用意してきたルームウェアを着る頃には、とっぷりと夜も更けていた。
「じゃあ、俺もシャワー浴びてくるから先にベッドで待ってて」
紬さんに連れて行かれたのは、9畳ほどの広さの寝室だった。
まず目に入ったのは大人が3人くらい眠れそうなキングサイズのベッド。
白を基調とした他の部屋と違って、休むために作られているその部屋の内装はダークブラウンで統一されている。
……あ、やっぱりするんだ。
そういう経験は初めてではないけれど、ここ数年彼氏がいなかった私はいかにもな空間に緊張して体を強張らせた。
彼はそんな私に気がついているのかいないのか「部屋にあるものは好きに使ってくれて構わないから」と言い残してから、さっさと浴室へ行ってしまう。