観念して、俺のものになって
「んっ……」
私に覆いかぶさった紬さんはその角度を変えながら、まるで小鳥のように何度も私の唇を啄んだ。
彼の唇がもたらす感触は想像以上に柔らかく、それが擽ったくて思わず笑みを溢して身を捩る。
紬さんもそれにつられたのか、吐息だけで笑って顔を離した。
口づけを終えた彼はそのまま四つん這いになってベッドに乗り上げ、私の反対側から布団をめくってベッドの中へと入る。
紬さんはさらに私の下にある布団を引っ張ったので、慌てて起き上がってベッドから下りる。
私が布団の中に入りやすいようそれを丁寧にめくり上げて、紬さんは横になったまま頬杖をつき、自分の隣をぽんぽんと叩いてニヤッと笑った。
「さ、おいで」
まるで自ら獣の巣の中に入るような心地になって、私は恥ずかしさからぐぬぬぬ、と体を震わせる。
それを眺めてヤツは意地悪そうに唇を持ち上げ、真っ黒な瞳を煌めかせた。
「は、入ればいいんでしょ!」
精一杯強がってベッドに乗り上げた瞬間、腕を掴まれシーツの波間に引き摺り込まれた。