観念して、俺のものになって


「ちょっと……笑い事じゃないんですけど!」

「ごめんごめん、あまりにも不安そうにするからさ!

大丈夫、言ったでしょ?ストーカーの思考回路はきみより理解してるって。多分、あの女はきみと僕が本当に入籍するのか確かめたいだけだと思うんだよね」


そこまで言って、店長は言葉を切る。

ついに目的地である区役所の入り口が見えてきて、ホッと安堵の息を漏らした。


もう中に入ってしまえば、あの人も納得するでしょ。


2人でガラスでできた自動ドアをくぐり抜け手から、後ろを振り返る。


もしかしたら、私たちが追われていることに気がついていることに向こうも気がついたのかもしれない。

女性の姿は見えなくなっていた。


よーし、ようやく私はお役御免かな。
早く家に帰って読書したいよ。


***


ここに着いたらゴールなはずなのに、店長は私の手を握ったままどんどん区役所の中を進んでいく。


.....何故?

私は弾む息を整えることもできず、彼の逞しい腕に引っ張られていた。


「あの、ここまできたら……大丈夫なんじゃないんですか!?」

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