観念して、俺のものになって
「ふざけないでよ!!」
今まで我慢していた感情が爆発した。
拳を握り、紬さんに向かって大声で叫ぶ。
コンビニに入ろうとしていた仕事帰りのサラリーマンが、わたしの声にギョッとして振り向く。
露骨に迷惑そうな顔をされたものの、
私の怒りは収まらなかった。
本当に出すとは微塵も思ってなかった婚姻届が、知らない間に提出されてたとか……しかも、私に何の相談もなしってありえない!
「何考えてるんです!
勝手に婚姻届を書いて出すなんて!!」
「きみもいつかは結婚するつもりなんだろう?手間が省けていいじゃないか」
「は……はい!?」
「まひるちゃんさえ頷けば、全部丸く収まる。俺たちが結婚すれば、俺はストーカーに悩まされなくて済む。
きみは彼氏や結婚相手について悩まなくて済む。いい提案だと思うけどな」
「紬さんが良くても私は良くないです!」
「僕は十分冷静だよ?まひるちゃんはどうして怒っているんだい?俺、顔も年収も良いほうだから結婚相手としては申し分ないと思うけど」
「そういうことじゃないでしょう!!」
紬さんの言葉を遮るように声を上げた。