円満な婚約破棄と一流タンクを目指す伯爵令嬢の物語
「だからステーシアは、これからも殿下のことをお守りしつつ、決して殿下より先に死んではならないぞ。わかったか」
「はい!」
大丈夫よ、わたしはタンクでアサシンでスパイだもの!
「もっと状況判断を磨いて危機回避スキルを上げるために、本来ならば騎士団の訓練生になってもらうのが一番なんだが、騎士団の上官たちは、もうおまえを預かるのは嫌だと言ってきた」
そ、そんなあぁぁぁっ!
トラブルメーカー認定されてしまったの!?
「だから、私とレオンで個人的に指南していこうと思う。それでどうだ」
「まあ素敵っ!よろしくお願いします!」
お説教をされるのだと思っていたら、こんなワクワクする提案をされるだなんて、レイナード様のお側を離れるわけにはいかないわね。
婚約者で居続けるかどうかは、ナディアと一体何があったのかをレイナード様に確認してからになるけれど。
そしてわたしは父に、行方不明だった間に山賊のアジトで過ごしていたことを話した。
彼らは、根はいい人たちばかりだということも。
わたしの命の恩人である彼らがもしも助けを求めてきたら、力になってほしいとお願いすると、父は「もちろんだ」と大きく頷いてくれた。
「ねえ、お父様、ひとつ確認なんだけど…人間の子供を大鍋で煮て食べたことなんて、ないわよね?」
「――っ!?あるわけないだろう!」
唐突な質問に心底驚いている様子の父を見て、鬼畜ではなかったことに安堵したわたしだった。
「はい!」
大丈夫よ、わたしはタンクでアサシンでスパイだもの!
「もっと状況判断を磨いて危機回避スキルを上げるために、本来ならば騎士団の訓練生になってもらうのが一番なんだが、騎士団の上官たちは、もうおまえを預かるのは嫌だと言ってきた」
そ、そんなあぁぁぁっ!
トラブルメーカー認定されてしまったの!?
「だから、私とレオンで個人的に指南していこうと思う。それでどうだ」
「まあ素敵っ!よろしくお願いします!」
お説教をされるのだと思っていたら、こんなワクワクする提案をされるだなんて、レイナード様のお側を離れるわけにはいかないわね。
婚約者で居続けるかどうかは、ナディアと一体何があったのかをレイナード様に確認してからになるけれど。
そしてわたしは父に、行方不明だった間に山賊のアジトで過ごしていたことを話した。
彼らは、根はいい人たちばかりだということも。
わたしの命の恩人である彼らがもしも助けを求めてきたら、力になってほしいとお願いすると、父は「もちろんだ」と大きく頷いてくれた。
「ねえ、お父様、ひとつ確認なんだけど…人間の子供を大鍋で煮て食べたことなんて、ないわよね?」
「――っ!?あるわけないだろう!」
唐突な質問に心底驚いている様子の父を見て、鬼畜ではなかったことに安堵したわたしだった。