円満な婚約破棄と一流タンクを目指す伯爵令嬢の物語
「ステーシア、この状況はあなたには圧倒的に不利だわ。頭がおかしくなった令嬢に救いの手を差し伸べてくれる人なんていないわよ?婚約破棄されたあと、どうするつもりなの?」
リリーが珍しく険しい顔で言ってくる。
「調べてみたけどね、過去に同じように婚約破棄されたご令嬢もいたけれど、ろくなことになってないわ。実家の領地から出ずに幽閉されたも同然で一生を終えていたり、不慮の事故で亡くなっていたり…これはきっと、そう偽装しているだけで殺されたのよ、王室に。わたしはあなたをそんな目に遭わせたくないの」
「ありがとう、リリー。でも婚約破棄されたあとでも、わたし自身に十分な利用価値があるのだとしたらどうかしら?」
「どういう意味?」
訝しがる二人に声を潜めて告げる。
「これから話すことは、たとえ家族にも口外禁止よ。わたしの鑑定結果はね『星3の盾役』だったの」
リリーとマーガレットが同時に息をのむ。
「今は平和な世の中だけど、万が一戦争にでもなったら、わたしはその最前線で戦うわ。レイナード様とそのご家族を守り切ってみせる。忠誠を誓い続ければ悪いようにはされないはずよ。だから今度の長期休暇には、騎士団の訓練に参加しようと思っているの、もちろん素性は偽るわよ?そこで『なんかすごいヤツがいる』ってなったら、惜しくなって殺されたりだなんてしないはずよ」
あら、二人ともどうしてそんな泣きそうな顔をしているの?
すごいわね、頑張って!って励ましてほしいのに。
「もうっ、どんどんおかしな方向に行ってるじゃないの!どうなってんの、レイナードの野暮天!あいつ、〇〇〇ついてないんじゃないの!?」
あらあら、リリーったら、レディーがそんなこと言ってはいけないわ。
リリーが珍しく険しい顔で言ってくる。
「調べてみたけどね、過去に同じように婚約破棄されたご令嬢もいたけれど、ろくなことになってないわ。実家の領地から出ずに幽閉されたも同然で一生を終えていたり、不慮の事故で亡くなっていたり…これはきっと、そう偽装しているだけで殺されたのよ、王室に。わたしはあなたをそんな目に遭わせたくないの」
「ありがとう、リリー。でも婚約破棄されたあとでも、わたし自身に十分な利用価値があるのだとしたらどうかしら?」
「どういう意味?」
訝しがる二人に声を潜めて告げる。
「これから話すことは、たとえ家族にも口外禁止よ。わたしの鑑定結果はね『星3の盾役』だったの」
リリーとマーガレットが同時に息をのむ。
「今は平和な世の中だけど、万が一戦争にでもなったら、わたしはその最前線で戦うわ。レイナード様とそのご家族を守り切ってみせる。忠誠を誓い続ければ悪いようにはされないはずよ。だから今度の長期休暇には、騎士団の訓練に参加しようと思っているの、もちろん素性は偽るわよ?そこで『なんかすごいヤツがいる』ってなったら、惜しくなって殺されたりだなんてしないはずよ」
あら、二人ともどうしてそんな泣きそうな顔をしているの?
すごいわね、頑張って!って励ましてほしいのに。
「もうっ、どんどんおかしな方向に行ってるじゃないの!どうなってんの、レイナードの野暮天!あいつ、〇〇〇ついてないんじゃないの!?」
あらあら、リリーったら、レディーがそんなこと言ってはいけないわ。