婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「いや、まだ情報をもらっただけだからまだ、だ。王都で魔導士団の第一研究部が預かっていて、事故になった原因を調べているようだ」
 魔導士団の第一研究部と言えば、一番下の兄であるシオドリックが所属している部だ。

「その魔宝石。本当にこちらで正規に採掘されたものなのでしょうか?」

「どういう意味だい?」
 ヘイデンが目を細めた。どうやらリューディアの言葉の意味を考えているようだ。

「お兄さま。今、確認してきましたが、やはりクズ石の量が合っておりません。もっと詳しく申し上げますと、そのクズ石の中でも形は悪くても魔力を取り込むことができたクズ石の量が圧倒的に減っております」

「ディア。お前、何が言いたい?」
 ヘイデンも妹が言わんとしていることを察した。だが、答え合わせは必要だ。

「その爆発した魔導具に使用されていた魔宝石は、もしかしてクズ石では無いのでしょうか」
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