婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「え?」
シオドリックにとっては先ほどから初耳の内容ばかりだろう。ヘイデンにとっては既にわかりきっていること。それをリューディアがまとめて今、口にしてくれているのだ。
「さらに、お兄さまがこちらに来ることになったきっかけ。このシャルコの採掘現場で採れる魔宝石の量が減ったということ。ですが、わたくしもこちらに来て二月程経ちますが、採掘量が変動するような要因が無いことに気付きました」
「ああ、そうだ。一時期、このシャルコからあがってくる魔宝石の採掘量が少しずつ減っていった。著しく減ったわけではない。少しずつ減っていくんだ。だが、それがある程度の期間続いたらどうなる? 少しずつであってもかなりの量になるはずだ」
シオドリックとリューディアの二人は頷いた。具体的な量は今、調査中であるが、ざっくり換算してもそれはかなりの量になることは間違いなかった。
「はい。初めに、魔宝石の虚偽の報告があり、お兄さまがこちらに来られてから意図的な崩落事故が発生。そして今回のクズ石の盗難という流れになります。さらに言うと、今日の事務所荒らし。その者が事務所内で探していた者は……」
シオドリックにとっては先ほどから初耳の内容ばかりだろう。ヘイデンにとっては既にわかりきっていること。それをリューディアがまとめて今、口にしてくれているのだ。
「さらに、お兄さまがこちらに来ることになったきっかけ。このシャルコの採掘現場で採れる魔宝石の量が減ったということ。ですが、わたくしもこちらに来て二月程経ちますが、採掘量が変動するような要因が無いことに気付きました」
「ああ、そうだ。一時期、このシャルコからあがってくる魔宝石の採掘量が少しずつ減っていった。著しく減ったわけではない。少しずつ減っていくんだ。だが、それがある程度の期間続いたらどうなる? 少しずつであってもかなりの量になるはずだ」
シオドリックとリューディアの二人は頷いた。具体的な量は今、調査中であるが、ざっくり換算してもそれはかなりの量になることは間違いなかった。
「はい。初めに、魔宝石の虚偽の報告があり、お兄さまがこちらに来られてから意図的な崩落事故が発生。そして今回のクズ石の盗難という流れになります。さらに言うと、今日の事務所荒らし。その者が事務所内で探していた者は……」