婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
エメレンスは、それに気付かなかったのか、表情をぴくりとも変えず、言葉を続ける。
「それで。いろいろと総合的に考えた結果。そのフリートという女性ですが。兄上に対して、魅了の魔法とか、そういった魔導具を使っているのではないか、と。そう考えたわけです。まあ、何やら兄上をこう、操る術というか。意思を奪う術というか。そんな感じのものです」
ヘイデンは腕を組み、顎をさすりながら考える。フニペロ・メイソン、及びフリート・メイソン。メイソン侯爵家。
「メイソン侯爵家は、代々魔導具師を輩出している家柄だ……。フニペロ自身も、ここに赴任する前は、魔導具師として活躍していた……」
ヘイデンの言葉を聞きながら、エメレンスは奥歯を噛み締めた。
「それで。いろいろと総合的に考えた結果。そのフリートという女性ですが。兄上に対して、魅了の魔法とか、そういった魔導具を使っているのではないか、と。そう考えたわけです。まあ、何やら兄上をこう、操る術というか。意思を奪う術というか。そんな感じのものです」
ヘイデンは腕を組み、顎をさすりながら考える。フニペロ・メイソン、及びフリート・メイソン。メイソン侯爵家。
「メイソン侯爵家は、代々魔導具師を輩出している家柄だ……。フニペロ自身も、ここに赴任する前は、魔導具師として活躍していた……」
ヘイデンの言葉を聞きながら、エメレンスは奥歯を噛み締めた。