婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
あの兄がリューディアと婚約解消をするはずがないと思っていたエメレンス。今回はフリートのせいでもあったし、それが無くても、モーゼフは自らを悪役に仕立てることで、早かれ遅かれそうするつもりでいたのだ。それは、彼女を愛するが故。
「そうだ。それがこの国を統治する者として必要な判断だったと思っている。それに、君が彼女に想いを寄せていたことも知っていたからね」
腕を組んだモーゼフは深く頷いた。その判断を間違ったとは思っていない。愛する人を守るため、この国を守るため、好きな女性に別れを告げた。フリートに操られてしまっていた部分はあるが。そうでなくても、この結末に変わりはなかった。
「だからこそ、ボクはこの国の国王には相応しくない。ボクはこの国がどうなろうと、何よりもリューディアを優先させる。この国が滅びようが、民たちが亡くなろうが、どうでもいい。リューディアが幸せであれば、周りがどうなろうと僕には関係が無い」
エメレンスは、表情を変える様子もなく、淡々としている。
「そう言った意味では、君が一番狡い男だ。あのように、彼女に眼鏡をかけさせて、人の目に触れないようにさせて。そして、彼女から自信というものを失わせた。どうせ君のことだ。彼女に向かって『ブスだから自分以外の男の前では眼鏡を外すな』とか言ったのではないか?」
「そうだ。それがこの国を統治する者として必要な判断だったと思っている。それに、君が彼女に想いを寄せていたことも知っていたからね」
腕を組んだモーゼフは深く頷いた。その判断を間違ったとは思っていない。愛する人を守るため、この国を守るため、好きな女性に別れを告げた。フリートに操られてしまっていた部分はあるが。そうでなくても、この結末に変わりはなかった。
「だからこそ、ボクはこの国の国王には相応しくない。ボクはこの国がどうなろうと、何よりもリューディアを優先させる。この国が滅びようが、民たちが亡くなろうが、どうでもいい。リューディアが幸せであれば、周りがどうなろうと僕には関係が無い」
エメレンスは、表情を変える様子もなく、淡々としている。
「そう言った意味では、君が一番狡い男だ。あのように、彼女に眼鏡をかけさせて、人の目に触れないようにさせて。そして、彼女から自信というものを失わせた。どうせ君のことだ。彼女に向かって『ブスだから自分以外の男の前では眼鏡を外すな』とか言ったのではないか?」