婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
◇◆◇◆

 さて。その後の顛末を少々。
 数年後、モーゼフは隣国の王女と婚約をし、結婚をする。この彼女がモーゼフと似たような考えの持ち主であったため、二人の利害は一致する。
 エメレンスも無事リューディアと結ばれる。モーゼフの臣籍へとくだったエメレンスは、兄を支えながらもシャルコの街も治めていた。リューディアが望んだ魔宝石の再利用、そしてクズ石からの人口魔宝石の製造。そのような施設を造り上げていきながら。
 そして、エメレンスと結婚をしたリューディアであるが、彼女は今でも眼鏡をかけている。それはエメレンスが望んだこと。

『君は美人なのだから絶対にボク以外の男の前でその眼鏡を外してはいけないよ。他の男に口説かれるかもしれないからね』

 それを聞いたリューディアは、「本当にレンは心配性ね。そのような方、いるわけないでしょう」と、いつも微笑みながら夫に優しく口づけるのだった――。


【完】
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