婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「大丈夫? ディア」
少し呆けている義妹を案じてか、イルメリが声をかけてきた。
「あ、はい。大丈夫です。少し、緊張してしまいました」
緊張の原因。それは「ブス」と言う言葉が彼の口から出てくるのではないか、ということ。だが、それも杞憂で済んだようだ。あのエリックという男は、リューディアに向かって「ブス」ではなく「可愛らしい方」と表現してくれた。
「あら、ディア。顔がにやけてる。エリックのこと、気になるの? 彼はダメよ。ふらふらしてるから」
「いえ、そういうわけではありません。ただ、その、可愛らしいって、言われて、その……」
「やだわ、ディア。あなたって本当に可愛い」
「ディーかわいい」
「かわいい」
少し呆けている義妹を案じてか、イルメリが声をかけてきた。
「あ、はい。大丈夫です。少し、緊張してしまいました」
緊張の原因。それは「ブス」と言う言葉が彼の口から出てくるのではないか、ということ。だが、それも杞憂で済んだようだ。あのエリックという男は、リューディアに向かって「ブス」ではなく「可愛らしい方」と表現してくれた。
「あら、ディア。顔がにやけてる。エリックのこと、気になるの? 彼はダメよ。ふらふらしてるから」
「いえ、そういうわけではありません。ただ、その、可愛らしいって、言われて、その……」
「やだわ、ディア。あなたって本当に可愛い」
「ディーかわいい」
「かわいい」