婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
母親の言葉に同調し始めて、二人の息子たちも可愛いと合唱を始める。
「おいおいお前たち。あまりディアを揶揄うなよ。ただでさえ、その言葉になれていないんだから」
そう。慣れていない。可愛い、という言葉に。家族に言われても、それは「欲目」からくるものだと思っているから。
だからなおさら、初対面の彼に言われてしまっては、余計に恥ずかしい。
カチャっと音を立てて、リューディアは眼鏡の位置を直した。
「よし、荷物を置いたら、昼ご飯を食べに行こう。近くに美味しい食堂があるんだ」
リューディアから見たら、普段の兄とは違う一面を見たような気持ちだった。コンラット家のヘイデンではなく、シャルコの街のヘイデン。そう、表現するのがしっくりくるのかもしれない。
そこでまた、リューディアは眼鏡の位置をカチャリと直した。仮に自分がシャルコの街のリディアになったとしても、それでもこの眼鏡が外れてしまうのが、怖い。
「おいおいお前たち。あまりディアを揶揄うなよ。ただでさえ、その言葉になれていないんだから」
そう。慣れていない。可愛い、という言葉に。家族に言われても、それは「欲目」からくるものだと思っているから。
だからなおさら、初対面の彼に言われてしまっては、余計に恥ずかしい。
カチャっと音を立てて、リューディアは眼鏡の位置を直した。
「よし、荷物を置いたら、昼ご飯を食べに行こう。近くに美味しい食堂があるんだ」
リューディアから見たら、普段の兄とは違う一面を見たような気持ちだった。コンラット家のヘイデンではなく、シャルコの街のヘイデン。そう、表現するのがしっくりくるのかもしれない。
そこでまた、リューディアは眼鏡の位置をカチャリと直した。仮に自分がシャルコの街のリディアになったとしても、それでもこの眼鏡が外れてしまうのが、怖い。