婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
それがエメレンスの本音だった。あのモーゼフから婚約解消を突き付けられ、さらに美醜に関する言葉も投げかけられ、彼女が傷ついているものと思っていたからだ。だがそのような様子は一かけらも無い。エメレンスが贈った眼鏡をかけながらも、このように笑って生き生きとした表情を見せている。
「では、レン。早速で悪いのだが、この北側の坑道の安全確認と、危険個所の整備をディアと共に行って欲しい」
「はい」
「ディアはこの坑道に詳しいから、わからないことがあれば彼女に聞いてくれ」
「はい、ディア、よろしくね」
「はい」
「それから、夕方。レンのことは採掘師の皆にも紹介するから。そのつもりでいてくれ」
「わかりました」
「悪いが俺は今日中に今月の採掘量の報告書を作り上げなければならない。事務所内にいるから、何かあればそこにいる」
そう言って事務所へ戻るヘイデンの後姿を見送ってから、エメレンスはもう一度リューディアに向かい合った。
「では、レン。早速で悪いのだが、この北側の坑道の安全確認と、危険個所の整備をディアと共に行って欲しい」
「はい」
「ディアはこの坑道に詳しいから、わからないことがあれば彼女に聞いてくれ」
「はい、ディア、よろしくね」
「はい」
「それから、夕方。レンのことは採掘師の皆にも紹介するから。そのつもりでいてくれ」
「わかりました」
「悪いが俺は今日中に今月の採掘量の報告書を作り上げなければならない。事務所内にいるから、何かあればそこにいる」
そう言って事務所へ戻るヘイデンの後姿を見送ってから、エメレンスはもう一度リューディアに向かい合った。