2度目の人生で世界を救おうとする話。後編





「…絶対武より先に見つけるから。ね、蒼」

「…ん?あ、そうだね」



私に突然話しを振られた蒼はちょっとだけ驚いた顔を見せたが、すぐにいつもの胡散臭い笑顔に戻った。



「今約束したから。絶対に見つけるよ」



どうせ姫巫女を見つけられるのは蒼だけだ。
だから私は蒼にしっかり念を押した。


念を押された本人は「そうだね」と珍しくほんの少しだけ嫌そうに笑っていた。


他の任務とかあったり、ただでさえ次期当主としてそこそこ忙しいかったりするから、これに姫巫女探しまで加わると、さすがの蒼でも嫌なのかもしれない。

そんなに頑張って探さなくても、蒼なら任務のついでくらいのテンションで姫巫女を探してもすぐに見つけられると思うのにな。
シナリオで決められていることだし。




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