2度目の人生で世界を救おうとする話。後編
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程なくして始業式は終わった。
あとは各クラスに帰って通常通りの授業を受けるだけだ。
全生徒と一緒に私たち次期当主も移動を始める。
教室へ向かって廊下を歩いているとその声は聞こえてきた。
「きゃああああ!」
この場所には似つかわしくない甲高い叫び声がグランドの方から聞こえる。
ここは男子校だ。
生徒を始め、職員、関係者など、全て男で固められている。
そんな場所に甲高い女のような声が聞こえるはずがない。
しかもこの声に私は聞き覚えがあった。
声の聞こえたグランドの方を見るために窓際へ向かう。
そこにいた誰もが窓際に集まって外を確認していたが、私や次期当主たちが動くと、さっとその場を空けた。
グランドには禍々しい雰囲気の鬼の妖とその妖に襲われている女の子の姿があった。
ここからは遠くてよくわからないが、あのふわふわの栗色の髪のポニーテールに見覚えしかない。
姫巫女だ。
「…っ」
何故ここに姫巫女がいるのか。
さらにこの状況もおかしすぎる。