2度目の人生で世界を救おうとする話。後編
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四季家の紋章が描かれた金と黒の腕章が、窓から差し込む春の太陽の光をきらりと反射させ、より一層私の腕で存在感を発揮している。
守護者の証であるこの腕章は、能力者なら誰もが憧れるものだ。
私を始め、守護者に選ばれた武、蒼、琥珀の腕にもその腕章は輝いており、4人で並んで歩く姿には絶対的な華があった。
そしてそんな私たち4人は、これから行われる始業式の為に、始業式の会場であるホールへ移動していた。
守護者任命式でも利用されたあのホールだ。
「もう春かぁ。早いね」
生徒、職員はもうほとんどホールへの移動を済ませている為、廊下には誰もいない。
武、私、蒼、琥珀の順に横並びに広がって廊下を歩いていると、ふと蒼が感慨深そうに呟いた。
「この前までは紅たちが高等部に入ったって大騒ぎだったのにあっという間だったね」
懐かしそう笑う蒼の透明感のある少し長い茶髪が窓から差し込む太陽によって、金の絹糸のようにキラキラと輝いている。
元々の顔立ちの良さも相まってお伽噺の王子様のようだ。
ビジュアルがお強い。
「そうだね」
私も蒼と同じように笑い、このいろいろあった1年間を思い浮かべた。
1年間本当にあっという間だった。
2度目を始めてもう1年。
最初こそは1度目のこともあり、朱や彼ら次期当主たちのことを信じきれなかった私だったが、今は信じたい気持ちが強い。
シナリオの歪みさえなければ彼らは私から離れない。