鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
序章
ああ、やってしまった。
エリオットは窓の外を見上げ、困り果てていた。
「そんなつもりは、なかったのだが」
齢二十二の若き公爵、エリオット・ピヴェールは、広大なリシュエル王国の王都にある、ヴォラティル魔導書院の院長を務めている。
新月の夜空のような色をした黒髪は無造作に伸ばされ、あちこち好き勝手に跳ねていた。
もっさり。そんな言葉がぴったりな頭である。
決して貧相な体格ではないのに、自信なさげに猫背になっているせいで頼りなげに見える。ただの庶民な彼の部下の方が院長と間違われてしまうのは、そのせいに違いない。
エリオットは窓の外を見上げ、困り果てていた。
「そんなつもりは、なかったのだが」
齢二十二の若き公爵、エリオット・ピヴェールは、広大なリシュエル王国の王都にある、ヴォラティル魔導書院の院長を務めている。
新月の夜空のような色をした黒髪は無造作に伸ばされ、あちこち好き勝手に跳ねていた。
もっさり。そんな言葉がぴったりな頭である。
決して貧相な体格ではないのに、自信なさげに猫背になっているせいで頼りなげに見える。ただの庶民な彼の部下の方が院長と間違われてしまうのは、そのせいに違いない。
< 1 / 361 >